2012年10月10日

「蟲ノ目」第三章 感想文

夏コミに前日入りしてまで直接購入した「蟲ノ目」第三章ですが、ちょっと事情があって封印しておりました。やっと先日一段落したので、封印を解いて一気にプレイ。夜勤を挟んで次の日に読了しました。今更ではありますが、感想を書きとめておきます。ネタバレ気味の記述もありますのでご注意を。(制作サークル様のブログはこちら。)長文です。

 さて、第三章です。
 第一章は、読者は主人公とともに巻き込まれて、この物語で起こる事件をなぞっていって、ある結末を迎えます。無料ダウンロードできるので「何ぞ?」と思ったら、まずやってみる事をお勧めします。世界と設定と登場人物にはまったら、この後幸せになれます。

 第二章は、主人公は第一章の出来事を体験した状態で、もう一度事件を再体験します。第一章では捉えられなかった事柄を見聞きすることで、ある結末を回避しようと奮戦します。良い線行きますが、ある結末からは逃れられません。

 そして、この第三章では、第一章と第二章を体験した状態で、主人公はより明確にある結末を回避するために、今一度この事件に身を投じます。

 第三章は、おおまかに3つの山があります。ひとつは、他の登場人物達を巻き込んでみんなで「ある結末」を回避するために、一種の同盟関係を結ぶところです。
 このセクションは、まるでビジネス書の例え話のように感じました。第一章から見れば、何の特性もなかったはずの主人公が、強い意志と愛する人への純粋な思いに導かれるように才能を開花させ、やがてはそれまで敵対関係にあった人たちまでも納得させ、共闘していくのです。
 能力の進化と、心の成長、そして、最強の協力者たち。彼女らに適材適所活躍してもらう物語の序盤は、実に気持ち良く展開していきます。読み手はこのまま一筋縄ではいくまいと思いつつも、「もしかしたらこのまま、違った結末に着地できるかも?」と淡い期待を描くのです。

 ひとつは、今に至る因果に関する「過去」の情報の解禁です。
 回想的な扱いで、過去の出来事が語られます。新規登場のキャラクターも出てきます。現在の登場人物の当時の姿も出てきます。
 ここでは、結構長く当時のエピソードが再現されるのですが、登場人物が「現在」に負けず個性的でかわいい。この「過去」を過去のままにしておくのは惜しいですので、スピンオフか、二次創作の題材になると良いなあと思います。
 そしてこのセクションは、恐らく根源たる「因果」以外にも後につながるであろう様々な情報が隠されているような気がします。

 最後に、三度目のラストバトルへと急展開する、現在の本来の事件の場面です。
 この直前まで、完全にまとめに入ったような展開になります。解決すべき問題が明確になり、真の敵が判明し、全員でひとつの目標に向かって行く!という決戦前夜のシーンで、「第三章はここまでで、ラストバトルは第四章かな」と思わされたほどです。
 しかし、物語はこの状況にあって、あり得ない展開を迎えます。これまでもチート能力同士のぶつかり合いは(この物語の本筋でもあるので)色々と見てきたのですが、何なんですか「結果を選択するだけで、万事その結果に向かって必ず実現される能力」って。抗えないんですよ結果には。どうやって対処したらいいんですか?
 それでも、主人公たちは善戦します。というか、勝ったのかと思いましたよ。こちらはこの段にあって、万象をその未来まで、可能性まで見越せるんですから。しかし、真のラストバトルは意外にもあっけないものでした。

 そして、物語はこのまま第四章へと引き継がれていく・・・と思ったのですが、ここで最後の大番狂わせがあります。すでに読了された方々が口々に「どうすんのこれ?」と言っていましたが、その意味がやっとわかりました。本当に、どうすんのこれ?

 今まで、第一章、第二章と散々に展開に玩ばれて、「もう何があってもびっくりしないぞ。騙されないぞ。」と思っていたのですが、この展開には驚きを禁じえませんでした。
 同時に、「この状況から次で完結かよ」と、またいかなる展開でもって玩ばれるのかと思うと、楽しみ過ぎてテンション上がりました。第四章は「どこから始まるのか」からして目が離せません。
 どうなるのかは、神のみぞ知る、なのでしょう。読み手の僕は、またその神の掌の上で玩ばれるのでしょうか。第四章が楽しみでなりません。


 最後に、ちょっと気になる所を備忘録。二条久保さんの出自にはヒミツがあるんだろうな。思考実験は神の遊びでは済まない気がするな。読み手の僕は誰なんだろう。「メタ」はキーワードたり得るのか?

 行けるものなら、また冬コミに直接うかがいたいものです。
posted by 不改 at 02:29| Comment(0) | 日記
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